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ベトナムとチェコの意外な関係

今日のプラハはすがすがしい晴天。
気温は若干低めでしたが、とても気持ちのいい一日でした。

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私の住んでいるチェコ共和国は、過去社会主義時代がとても長く続いていました。
第二次世界大戦後の1948年から、ビロード革命の起こった1989年までの間。

社会主義時代は、今とは随分異なる社会がそこにあって、私などの日本人が、チェコ人と結婚してチェコに住むなど、通常ではなかった時代。
日本人観光客も今と比べれば断然少なかった時代です。
なにしろ、チェコ人が西欧諸国の人々と仲良くしたりしているとスパイ行為とみなされた時代。
チェコ人も好きなビートルズを聞く事も禁じられ、好きな国にいくことも禁じられ、自由に恋をする事も禁じられいた時代です。

まあ、その時代は日本でもまだまだ国際結婚はマイナーだったんでしょうが・・・。

そんな時代にチェコが深い友好関係にあった国があります。
それは・・・ベトナム。

当時は同じ社会主義国として、お互いに助け合い、技術を分け合っていたチェコとベトナム。
特にチェコがビール作りをベトナムに教えたり、ベトナム人がチェコにやってきて工業技術を学んだりしていました。
その頃、沢山来ていたベトナム人が社会主義の崩壊とともにチェコに残留し、結婚し、子供を産み、今その第二世代達が大きく成長し、チェコの社会を担う一員となっています。

かれらのもっぱらの仕事は、いわゆるサービス業。
お酒やアジアからの洋服などを扱う小売店を営業したり、野菜などのマーケットをだしたり、プラハ市内だけでなく、チェコ国内にベトナム人ショップはかなり多くあります。

私が見たもので大きな規模のものは、プラハ4区と10区にあるベトナムマーケットと呼ばれる市場。市場の中全体がチェコというよりはアジアのようで、彼ら専用の美容室やら、携帯ショップやら、レストランやらまであり、ベトナム人コミュニティーがそこに出来上がっています。
あとは、ドイツ国境やオーストリア国境近くの巨大マーケット。
売っているものは、庭道具や日用雑貨、洋服、食べ物、履物とすべてアジアから輸入されてきたものを中心に。

私のような日本人にとったら、しょうがやお豆腐、海鮮類、コリアンダーや調味料、お米といった一般のチェコのスーパーでは扱ってないようなものが多く、とてもありがたい存在ではあります。そんなベトナム人の存在がチェコではかなり大きく、チェコ人にとっては日本人(その他のアジア人)も稀にベトナム人に見られるようですね。

第二世代のベトナム人の子供達は、チェコで生まれたわけですから、チェコ人のようにチェコ語を操り、最近では学校の成績のトップも占めるようになっているようです。
なんと、チェコ語の国語のチェコ国内成績のトップがチェコ人ではなくベトナム人というのですから。

コトバの壁はやはり大きいです。
第一世代のベトナム人は残念ながらチェコ語を流暢に操る人は稀ですが、第二世代は言葉の壁がないですから、これからチェコの社会にどんどん進出していく事も考えられます。

こんなベトナム人の存在はチェコに来てから初めて知りましたが、二つのまったく違う民族の国、文化の国が流入し合っている社会に大変興味を感じますね。
ベトナムには、たまに今でもチェコ語を話せる人がいるとか・・・。

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by prahalife | 2007-09-21 06:36 | チェコネタ  

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